次男の自転車ルート
次男には、いつも決まった自転車練習ルートがある。
1回、15分くらいで帰ってこれる決まったルート。
次男は自転車に乗るのが好きだ。
だけど、いつも基本的にはおなじルートをまわりたがる。
わたしが◯◯へ買い物へ行きたいというとしぶしぶそこを目的地にしてくれる。
そのルート。むずかしくない。でも何ヵ所かちゃんと止まらないとあぶない箇所がある。
おなじルートをいく。もう何回も何回も行ってる。それなのにぜんぜんうまくならない。スムーズにいかないことが多い。いやもちろん、最初の頃よりは確実にうまくなってるんだ。でもなんか乗りこなすというイメージには程遠い。
なんで?なんでなの?
交差点でうまく止まれない。いや止まれるようにはなった。最初はとまらずに、とまれずに突っ切ってたもん。やむにやまれず服をひっぱって止めたこともあるし、とっさに彼のハンドルをつかんだこともある。
どれくらいの位置でブレーキをかけたらほどよい位置に止まれるかがまだ、わからない。自分のスピードとブレーキのかかり具合。それとふんわりブレーキで、ゆっくりスピードを落として様子を見るということができない。常に、最強ブレーキ。だから交差点のずいぶん前で止まる。いや確かに安全だけれども。でもずいぶん前で止まっちゃったことに本人が一番イラついている。
それに交差点で止まっていると、先に行くのを待ってくれる自動車もある。先に行ってくださいと身振りするのだが、待ってくれる。じゃあ行こっかといって、彼を促すのだが、待ってくれていると思うと焦る。焦るとうまくこぎ出せない。乗れずに足をつく。パニック。自転車を放り出して走る。
落ち着くまで待って、もう一度乗る。
すぐに気持ちが大きくなる。スピードをあげる、カーブを曲がるときにふくらむ。車道にはみ出しそうになる。
それでなくてもなぜか道路の端に寄らずに道路の真ん中にいることも多い。
「ちょっと!◯◯ちゃん、左寄って!!」
「◯◯ちゃん、つぎの交差点とまるよ!!」
「◯◯ちゃん、スピード落として左曲がるよ!!」
はぁ。次男とサイクリングするのは楽しいんだけど、帰ってきたら、いつも、ああ、きょうも車にひかれずに帰ってこれたよ、よかったとほっとする。