「せめてこれくらい」をやめよう
本田秀夫先生が言う。
「せめてこれくらい」できてほしいと考えるのをやめるべき、と。
発達障害の子供たちはできないことがとても多い。
だから、「せめてこれくらい」はできてほしいと考えることもとても多いのです。
すでに「せめてこれくらい」のラインもとても低く設定してあるとおもうのだけど、それでも「せめてこれくらい」と思っちゃう。
でも、「せめてこれくらい」と思わなくなると、本人も家族もラクになることは、事実で。
たとえば、次男は体育をしない。4年生で今、体育はポートボール。(ポートボールなつかしい)
ポートボールは、集団スポーツで、みんなでやらなくちゃいけないのは、むずかしい。わかる。
でも、障害物走くらいは、できてほしい。
というのは、コロナで運動会がなくなり、学年単位でちょっとした体育大会がある。
4年生は、障害物走らしいのだ。でも彼は、走らない。
ここで、「せめてそれくらいは!!」という考えが、頭をもたげる。
障害物走だって、彼に言わせれば、次から次へとやることがあって難しい、のだ。
まぁ確かに言われればそうかもな。
でも「せめてそれくらいできんか??」
と、言いたくなる。
長男。なかなかワーク(学校で定められた問題集)をしない。提出日ギリギリになって、あわててやる、もしくは、ギリギリ間に合わない、提出日をそもそも間違えている。あるいは、間に合ってやれても、持っていくのを忘れる。
「せめてワークくらいきっちりやれんか?」
毎日、少しずつこつこつ。提出日を間違いなく確認。提出日に間に合うように、余裕をもって。提出日には、忘れずにもっていく。
どれも彼にとっては、難しいフレーズたち。
「せめて、提出日を確認しておくくらい」「せめて、提出物をもっていくくらい」。
名付けて「せめてこれくらい」星人、が出現。
くそっっ!!そんなにむずかしいんか!!
塾もいってへんねんから、時間なんてありあまってるやろ!!
心の声。
「せめてこれくらい」星人を根絶やしにするのは難しいなぁ。
まぁ仕方ないよね。学校に行ってるだけで素晴らしい。友達だっているんだから最高だ。生きているだけで、十分がんばってる!!
そう思えるようになったら、ほんと子供も親もラクなのです。