もう普通を目指さない!発達凸凹母が見た発達障害兄弟の生態

ADHD+ASDの息子2人との普通じゃない日常

兄が妹へ暴行の事件に思う

うちの長男も次男を暴行する、ときがある。
兄弟ゲンカの延長じゃないの?と言われるかもしれない。
実際、以前兄が弟を暴行して、警察を呼んだときも、「結局、兄弟ゲンカですよね」と言われた。
ちがいます。と言いたい。ていうか、言った。
でも、兄弟ゲンカとして扱われた。

警察がこの程度の認識では、事件を止めることはできないだろう。警察官になろうとするような、おそらくまっすぐで、正義感のある人は、幼い弟を顔が腫れるくらい殴り付けるような衝動が発達凸凹さんにあるとは、想像力が及ばないのだろう。まぁ及ばなくって当然だよね。

決して、先日の事件のお兄ちゃんが発達障害だと言ってるのではない。そんなこと報道されてないもんね。

うちの次男は、なぜ死なずに生き延びているのだろう?
それは、単に兄弟をふたりきりにさせることがないように努力しているからだ。
そして、兄の暴行がはじまりそうな気配を察したら、次男とふたりで家を出るようにしているからだ。
ふたりきりになってしまう時間が長いとそうならないとも限らない。

でも、これは兄だけが悪いわけではない。
兄は、本当に弟が大好きで仲良くなりたいと思っているのだ。兄弟がもっと幼かったころから。

兄は、小さな弟を守ってあげようとする。凸凹さんだから、「こうあるべき」という気持ちでやってる部分も多いとは思うんだけどね。

道路に飛び出し勝ちな弟。心配だから手をつないであげようとする。
弟は、手を繋がない。感覚過敏強めの凸凹さんは、こういうところがある。
手を振り払う。
そりゃ兄は傷つくよね。

でも弟は飛び出る。兄は、手を引っ張る。弟は、手を引っ張る強さに痛くて泣く、暴れる。弟に泣かれたことで、兄はパニックになる。弟を突き飛ばす、あるいは殴る。
わたしもパニックになって叱る。みんながパニックの渦中に入ってしまう。

学童に兄に弟を迎えに行かせたこともあったなー。兄が小6、弟が小1のとき。兄が帰るときに、学校内の学童に迎えに行って、一緒に帰るっていう方法。よくやるんだ、この方法。そして「普通」なら何事もなくうまくいく。

ところが、凸凹さん兄弟。兄は、決められたことはちゃんとやる。だから、学童に忘れず迎えにいく。すると、やっていることをすぐにやめることができない弟、ちっとも帰ろうとしない。先生が促す。急かされてパニックになる弟。きちんとしなければ、気が済まない兄、無理やり連れて帰ろうとする。弟は、どんどんパニックになる。パニックになってる弟を見て、イライラして、自分もパニックになる兄。パニックの連鎖。学童の大人たちもうまく対応することができない。だめだめ、もう早々にこの下校方法は取り止めた。

こんな悪循環のスパイラルを今も1日に何度もくりかえす。

子供が幼い頃は、もっと頻繁だった。発達障害について、よくわかってなかったしなー。私自身のことについても。

大人であっても、私も発達凸凹の子供とうまく付き合えないんだもん、そりゃ発達凸凹同士の兄弟がうまく付き合えるわけない。

そんなことが、何年もかかってようやくわかり始めた。

で、最近は、兄弟それぞれが自分の特性を理解し始め、お互いのことも理解しようとし始めた。まだ理解しようとしている段階だけど。たまーーーに、うまく対応できる。

ようやくここまで来た。10年かかってる。次男が10才だから。はぁ。ほんと長かったなぁ。まだ、ほんの一里塚ですな。