マウントを取りたがる長男
長男は次男に対して、常にマウントを取ろうとする。上の立場にいたいのだ。かわいそうに、自信のなさのあらわれ。
中3やぞ。小4よりできることあって当たり前やろ!とは思うものの、だんだんできること、優れていることは減ってきた。
長男は、次男について、だめなやつだ、だめなやつだとずっと思ってきただろう。そして、実際そうだった。自転車は乗れないし、なわとびもとべない。泳げるようになるのもどんだけかかってんねん、みたいな。
すぐにパニックになるし、道路にも飛び出す。
長男にとっては、バカにする存在でしかない。一般の、普通の人は、お兄ちゃんなんだし、守ってあげるべき存在って思うもんじゃない?
って思うかもしれない。でも発達凸凹さんコンビは一筋縄ではいかない。
常々マウントを取ってきた長男だけど、最近、次男の成長がめざましい。
自転車も楽々乗れるようになったし、スイミングは最近飛び級で合格し、もう2級。
得意な絵は言うに及ばず。最近、賞ももらった。
細かいことでは、ごはんも長男より早く食べ終われるようになった。
マウントを取れる要素が減ってきちゃったのだ。マウントを取れることもこんなに細かいこと。
バスケを見てて、次男がトラベリングが分からず、説明してあげた。
「うーん、なんかよくわからん」
と次男が言う。
「お前、理解力なさすぎやろ」
と長男。
うわーん!!と、パニックになる次男。
あぁ、面倒くさい。
いちいちどうでもいいことで、マウントを取りたがる長男。
こんなに小さなことでも、いちいち反応する次男。
むしろ優しすぎるやろ。
あぁ、そうやね、で終わりの話。
で、ついこないだ、サッカーの試合を見てて、テレビに表示された試合の経過時間が、次男は見えず、
「今、何分?」
と聞いた。すると、
「お前、全然目見えてへんやん。おれめっちゃ見えるで」
と長男。
次男も、おぅ、まぁそうやね、とビミョーな反応。
お、スルーできるようになったやん!
長男、なんて不憫なやつなんだ……。