次男と歯医者さん
夫、長男、次男が通っている歯医者さんがある。
とってもお世話になっている。
だって次男を見てくれているんですもの。
次男は、歯医者さんでもまぁ落ち着かない。
まず名前を呼ばれても、待合室からなかなか出てこない。
「はやく、呼ばれたよ!」
わたしの方が焦れる。待合室にあった漫画を読みんでいて、なかなかやめない。
ようやく、椅子に座る。椅子が倒れて、寝た姿勢になる。口を開ける。この程度の一連の流れですら、落ち着いて行えず、ヒヤヒヤする。
発達凸凹さんのお母さんあるあるかもしれない。
口を開けつづけておられず、すぐ閉じようとする。
「口開けてねー」
と言われれば、
「やだぁ」
という。
口をゆすげば、水を受けるところからはみ出すし。今、口の中、赤いやつで染めたから、口から出る水も赤いねん!!他のところにとばすなや!!まわりが汚れるやろ!!と言いたいところだけど、ぐっとこらえて、
「こぼしたらあかんやん、まわりについたから、ママふいといたるわな」
と落ち着いて言う。
まぁいつもそんな感じ。
でも歯科衛生士さんも歯医者さんもそんな次男に慣れて来た様子。
歯科衛生士さんが、次男の扱いが上手い。ていうか、歯科衛生士さん、美人だからか、次男がまぁよく聞く。
そんなこんなで、小さいときから、2ヶ月に1回ほどの頻度で、通っている。前歯の矯正もしているし。
こないだの検診日。
次男は、孫悟空の悟がまるで囲まれた、おなじみのオレンジ色のTシャツを来ていった。
すると、歯医者さんがくいついた。
「へぇ、ドラゴンボールっていまもやってるの?」
「今はやってないよ」
「ぼくたちくらいの世代なのによく知ってるねー」
ここで、わたしが
「ドラゴンボールスーパーってやつが最近までやってましたよ」
と注釈する。すると次男が、
「2018年の3月まで放送されてたよ」
と言った。わたしたち家族は、次男の年月まで言う細かい注釈に慣れているものの、歯医者さんはすっごくおもしろく感じたらしい。
「へぇ、すごいね、そんなにしっかりおぼえてるんだ。ドラゴンボール好きなのお父さんの影響?」
次男は答えない。どう答えていいかよくわからない、あるいは、自分に聞かれてるのかよくわからない質問に関しては、結構スルーする。
これも凸凹さんの特徴?
「あんまり親の影響とか、ないですね。ゴジラとか親は、そんなに興味なかったけど、全部見て、めっちゃ詳しいですもん」
と、代わりにわたしが答える。
「へぇ。全部ってどれだけあるの?」
「36作品あるよ」
これは、昭和から平成までの日本映画、ハリウッド版、アニメも全部含めた数。
「えっそんなに?」
「アニメは見てないけど」
「最初の方って白黒じゃないの?」
「最初の2作品は白黒、他はカラーだよ」
などど、話を繰り広げる。
「全部の作品の公開年とか知ってるんですよ」
と、わたしも情報を追加しておく。先生は、それらが非常に興味深かったらしく、
「わぁ、博士ちゃんみたいやん」
という。確かに博士ちゃん寄り。歯科衛生士さんも、
「99人の壁とか出られるんじゃない?」
「あー、でも俺、監督とか知らんから無理」
よかったわー。そんなところがちゃんと冷静。YouTubeとかで、もっとオタクの人を知っているせいか、これくらいは、「普通」レベルということをよく分かっている。
そういう変に冷静なところも、凸凹さんあるあるかもしれない。
まぁ端で聞いていると、そんなやりとりも面白い。手がかかるところは、ものすごく多いけど、面白いこともある。