もう普通を目指さない!発達凸凹母が見た発達障害兄弟の生態

ADHD+ASDの息子2人との普通じゃない日常

次男、メタリックモンスターズギャラリー ドラゴンを買いに行く+厳しい長男

きのう、次男はメタリックモンスターズギャラリーのドラゴンを買いにいった。

大好きなホビーゾーンに。

ドラクエにもホビーゾーンにもまったく興味のない 長男も一緒に行くことになってしまった。
なぜなら夫の機嫌が悪く、家にいたくなかったから。
ほとほと面倒くさい。
でも家においておくのもかわいそうに思う。

次男も長男が一緒に来ることに難色を示したが、力関係上、それ以上兄に反抗することはむずかしい。

メタリックモンスターズギャラリーの中で何を買うかは見て決めるという次男。

ショーケースを見つめる。そっとしておく。

しばらくたってから、きまったよーと言いにくる。
ドラゴン。
ドラゴンて、1以外にでてくるの?2.3はいなかったような。不勉強でごめんなさい。
とはいえ、レアキャラ。
渋い選択。

「店員さんにお願いしてきー」

ショーケースの中は店員さんにお願いしてとってもらわなきゃいけない。
前回のゾーマ購入のときに経験済み。

長男が一緒についていったので、なんとかなるだろうと思ったが、それが甘い考えだった。

遠くから離れてみているとお願いせずに帰ってくる。

え?どうして?

「だってこいつ全然話しかけへんもん」

と長男。

やっぱり話しかけるのは無理かぁ。
側に近づいただけで「どうしたの?」と聞いてくれるような気のきいた店員さんではなかったようだ。
もの言いたげな子供が2人、側に来ているのに。

「じゃあ、代わりに言ったって」

と長男に言う。

「そんなんあかんやろ!!自分が欲しいねんからがんばって声かけないと!!そんなんやったらいつまでもひとりで買い物できるようにならへんで!!」

厳しい兄、出現。

今度は、わたしも含め3人で店員さんの側へ行く。

トリオで行って、まぁまぁの存在感あるのに、やはり向こうから「どうしましたか?」とは聞いてくれない。

「すみませんって言ってみー」

と小声で次男に言う。

次男にとってはかなりの勇気を要するのだろう。そもそも人と関わるのが苦手なのだから。
がんばろうという気持ちと怖いという気持ちが彼の中で葛藤しているのだろう。

何回か促すもののどうしても、最初の一声が出ない。

「すみません」

わたしが言う。

ようやく

「どうしましたか?」

と、聞いてくれる。

「自分で言ってみ」

とまた次男を促す。

「……メタリックモンスターズが欲しいんですけど…」

なんとか声に出すことができた。

そして一緒にショーケースに行き、ショーケースの中のどれがほしいのかなど自分で言えた。

無事購入できたあと、

「買えたねー!!できたねー!!」

と次男に言った。

そしたらその言葉が長男に火をつけたようだ。

「出来てないやん!!ぜんぜん。どこができたん??」

「え?できたやん。自分でどれほしいか言って、自分でおかねはらって」

「最初に声かけるの出来てないやん!!できたって言ってごまかすんやめろや!ひとりで買いにいっとったら買えてへんで!そんなんでできたっていって甘やかすからあかんねん!!」

厳しい兄、ふたたび。

はぁ。面倒くさい。

長男の言うことはわかる。長男の言うことは正しい。
確かにひとりで最初から最後までやることは今の次男には無理だったろう。だから正確な意味ではできてないのだろう。
でもこないだ買い物に来たときより格段にできている。自分で欲しいものが伝えられた。
わたしの中では、それだけでも成長したし、「できた」と思えたし、「できたね」と誉めてあげたかった。

確かに、全部ひとりの力でできたときに「できた」なのかもしれないし、少し手助けしたのが「甘やかし」なのかもしれない。

でも次男のような凸凹さんは、どれだけのことが努力してひとりでできるようになっても、結局何かは人に手助けしてもらうことが必要となるだろう。
それは何も凸凹さんに限ったことではない。人は誰でもそうだ。
ひとりの力でできるのに越したことはないけれど、できないことを手伝ってもらうことができるというのもまた大切なことだ。

それこそが長男にも必要なことなんだけど、理解してもらうのはむずかしい。

長男は、「正しい」ことを声高に、厳しくつきつける。
それは、「正しい」ことなんだろうけど、「生きにくさ」につながっている。