不明確なことを言わない長男
「うちの火星人」に、火星人は曖昧なこと、思ってもいないことを言うのがものすごく苦しくて、地球人との会話のやりとりがひどく噛み合わないものになるというようなお話が書いてあった。
それを読んで、ああ、こういうことかと思ったことがある。
中2長男と担任の先生の話だ。当時中1だった。だから中1のときの担任の先生との会話ということになる。
授業中、私語が多かった長男。衝動性により、話したいことがあったら話してしまうのだろう。
当然、注意される。私語をしていた数人の生徒とともに。
長男以外の生徒はすぐに
「もうしません」と言う。
長男は、決して
「もうしません」とは言わない。
だって、しないかどうかわからないもの。
ということらしい。
これは、
「しちゃだめよ」「わかりました。もうしません」というある意味で定形文的なやりとり。
それで済むんだからそう言っちゃえよとわたし的には思ってしまうが、彼のなかではそんな風に簡単にはすまない。
結局、ひとりだけ残されたらしい。
「もうしない」と言うまで。
でも彼は決して思ってもないこと、不明確なことは言わない。
先生が根負けする形で解放されたらしい。
「だって、もう私語しないかどうかなんてわからんから、しませんなんて言われへんもん。たぶんするやろうし」だって。