障害者のリアル 中3男子2
仕事中、携帯をチラッと見ると、あれ?長男からLINE電話かかってきてたみたい。
わわわ。
不在着信3つ。
マジ怖い。ストーカーみたいなやつや。
そのあとにメッセージで、
「もう無理」
「行かん」
とある。
きょうは、放デイに行く日だった。
次男は、夏休み中、ほとんど毎日放デイに行っているが、長男は、夏休みトータルで3日くらい?次男の放デイは、送迎があるけど、長男のはないからねぇ。中高生対象の放デイだから、まぁそんなもんかな。
特に夏休みは、時間がお昼間なのでわたしも送迎ができず。
なんとか数日だけ、自力で行ってみてください的な。それもまた勉強だしね的な。自転車で20分くらいだしね。
だけど、それに「行けない!!」ってことなんだろう。
折り返し電話してみる。
「はい」
とくらーーーーい感じで出る。
「どしたん?」
「もう最悪やってん!!!!!」
「何が?」
よくよく理由を聞いてみると、お昼にそうめんをゆでて食べようしたとき、そうめんが焦げたというのだ。焦げたけど、たべたら、めっちゃまずかったとのこと。
は?なんで?いまいち飲み込めない。なんでそうめんが焦げる?火にかけたまま忘れてたとか?
「ちゃうねん、そうめんに火が付いてん!!」
ますます意味わからん。
「鍋からはみ出た部分に火ついてん!!」
うーん。鍋からはみ出す?そっか!!鍋がちっちゃかったっんか。一番小さい鍋を使っちゃったらしい。そらはみ出すわな。(この鍋は、ミルクパンくらいの15センチくらいの鍋です。)でも前日、昨日いっしょにそうめんゆでたやん。そのときいちばん大きい鍋使ったよな。
「忘れてた。小さいので茹でられると思ってん」
ここから探偵のはじまり。
何時から、そうめんゆではじめたん?→12:50くらい
13:30くらいに出発しな間に合わへんやろ?12:50やったら遅ない?→そうかなー、いけるとおもってんけど
時間なさそうやから、小さい鍋つかったんちゃう?大きい鍋やとお湯沸くまでに時間かかるかもしれんとおもったんちゃう?→そうかもしれん
なんでそんなに遅なったん?→わからん、ぼーっとしてた
ぼーっとしてたんちゃうやろ?絶対なんかやってたやろ、ゲームとか?→YouTubeみとった
はい!!推理完了しました!!
YouTubeをぼーっと見てて、気づいたら、もう12:50くらいになってて、やばっと思って、急いで小さい鍋でお湯を沸かして、沸いたらそうめんを入れたら、そうめんがはみ出て、小さい鍋だから、鍋よりコンロの火がはみ出てて、その火がそうめんに着火。あわてて消火。
そんなとこだろう。
だけど、それと放デイに行かないことと何の関係があるの?って思うよねー。
でも彼の場合は、直結してしまうのだ。
ひとつうまくいかないと他のこともやりたくなくなる。気分、気持ちの切り換えがむずかしい。
それにこんなことがあったから、もう無理と正当化する。
「うーん、じゃあ最初にスタートが遅かったことで失敗して、そのあと取り戻せずに失敗のフローチャートの方行っちゃったんやね」
と、どこがまずかったのか整理する。
「でも行けないって自分で電話したんやね、よかったやん。がんばったやん」
と、ちゃんとできたことは評価する。
これが中3男子発達障害者のリアルです。