長男、次男のお金を盗む
長男は、盗み癖がある。
次男のお財布からお金をくすねる。
次男はひきだしにお財布をしまったまま、ほぼ無頓着だからだ。
次男は、ほとんどお金を使わない。たまに思い出したように、ドラクエのモンスターのフィギュアやゴジラシリーズのソフビを買ったりするだけ。
小学生にありがちな、お菓子買ったり、コロコロコミックを買ったり、というのがほぼない。
だからお小遣いがたまっていく。
貯まったものを銀行口座に貯金してあげたりしていた。
でも、
「あれ?こんなに少なかったっけ?」
と思うことがあった。
長男の盗みに気づいた。何度かは見逃し、そのうちわたしが次男の財布を管理するようになった。
そうなると当然だけど、盗みはやみ、安全になった。
しばらく経ってから、また次男が自分で管理するようになった。とはいえ、また同じように引き出しにしまっているだけだけど。
私自身に長男を信じたい気持ちもあった。
やはり財布からお金がなくなる。
次男も、
「俺、なんかつかったかなぁ?」
「俺、どっかで落としたんかなぁ」
と心許なげ。うっすら涙も浮かべてる。
かわいそうに。
ちょっと芝居がかって、長男の部屋にも聞こえるように、
「◯◯ちゃん、よーく思い出してみ。いくらあったん?ニンテンドーのカード買ったとき、残りいくら持ってた?おつりちゃんとお財布いれたの?」
と次男に聞いてみる。
このときの直近の買い物は、ニンテンドーのカード。課金ができたり、オンラインでゲームを買えたりができるやつ。
「いれた。いれたと思う。」
そのときは、長男も一緒に買い物に行ったので、長男にも、
「◯◯、◯◯ちゃんがちゃんと財布に入れてるの見た?」
「うん、入れてた。見た」
と長男は言う。
「そっか、じゃあなんでなくなっちゃってるんだろうねー」
長男が自室に戻ったあと、夫に聞きに行ってもらう。
すると長男が泣きながら出てきて、
「お金借りてん。あとで返しておこうと思っててん」
と、言った。
「そうなんやぁ。よかった。どっかで落としてきたりしてたんじゃなかったんやね。今返せるの?じゃあ返したって。」
と、そんなこんなでこの時は、「借りてた」ということで、落としどころをつけた。
さすがにもうやらないだろうと。
……でも甘かった。
きのう、次男の財布ごと見つからなかった。
次男はあきらかに引き出しに入れっぱなしだったので、長男の仕業なのは明らか。
本人に聞いてみると、知らない、という。
今朝、長男が学校に出掛けたあと、夫が長男の部屋を探す。
見つかりにくいところに隠していたようだ。
中身はすっからかん。
長男の財布もすっからかん。
何を買っているのだ。そもそも人の金を盗んでまで買いたいものとは何なのだ。すぐにまたバレるのにやってしまうなんて、万引き常習犯と同じ。その衝動がおさえられないのか。
発達凸凹さんの衝動性はこんな感じでもあらわれる。