長男と体温表
毎朝、自宅で体温表をかく。
カレンダーになってて、1日ずつ体温と体調の変化があったかなかったかをかくやつだ。
去年からずっと引き続いている習慣。
わたしの職場でも長男の中学校でもある。
でもこれって本当にみんな毎日はかってるの?
わたしの職場には、顔を近づけるとピッと鳴って体温を測定する機械が入ってるので、実際にはそこではかれる。
中学校。その機械はない。先生もはからない。自宅ではかってきた、とされるその体温表を出すだけ。
その紙を出すだけなんだけど、ADHDさんにとってはとれがとても難しい作業なのです。
まず体温表をなくす。
朝はやらなきゃいけない作業が多い。
体温表に書くのを忘れる。
体温表に書いても、持っていくのを忘れる。
かばんに体温表を入れても、到着したところで、かばんの中に入れた体温表を見つけられない。
などなど。
普通の人にとっては簡単で、どうということのない作業なんだけど、凸凹さんたちにとっては、ひどくハードルが高い作業だ。作業工程がとても多い。
ただでさえ、作業工程の多い朝に、更なる作業工程が加わる。
そのせいで、うちは毎朝、戦争と化している。
体温表をなくした。
体温表なくしたから、あたらしいやつくださいって言ってもらえばいいやん。
もらうの忘れる。
体温表がなかったら、メモ用紙を用意してそこに名前、体温、日付、さらには印鑑をおさなければならない。
メモ用紙持ってけばいいやん。
嫌だ。
それすら忘れたら、校門ではかってもらう。
それでいいやん!!
そのあと先生がメモを取る。それが嫌だ!!
はぁ?変なこだわり。完璧主義。
ちゃんと学校で定められた、体温表に、ちゃんと記載して、印鑑を押して行きたい。
それが、上に書いたような、特性のせいでできない。
そのギャップのせいで、パニックになる。
感情を処理できない。もっとパニックになる。
パニックが、体の不調に直結する。
お腹が痛い、頭が痛い。
もう!!
完璧じゃないけど、完全な形ではないけど、我慢して行けや!!
もしくは、
自分が思う完璧な形になるようにもっとがんばれよ!!
そう言って、そう叱って解決するならどんなにか良いだろう。
そんなことで解決するくらいなら、そもそもいろんな問題起こってない。
ひとつずつ、からまった糸をほどいていくしかない。
パニックになった彼の頭のなかがクリアになるように、こんがらがった気持ちや状況をひとつずつあるべきところに戻していくような作業が必要となる。
もう今日は、体温表ないから、仕方ないね。
とりあえず、メモ用紙に書いていこうか。
メモ用紙はすぐ出せるようにポケットにいれておこうね。
明日はこうならないように、学校であたらしい体温表をくださいって言うんだよ。
きょう1日はそれで解決。
また明日は明日の風が吹く。