もう普通を目指さない!発達凸凹母が見た発達障害兄弟の生態

ADHD+ASDの息子2人との普通じゃない日常

ドクターオクトパス

MCUの新作スパイダーマン ノーウェイホームのお話が話題になっている。

トビー・マグワイア版のスパイダーマンを愛する次男。
特にドクターオクトパスが大のお気に入り。

新しい映画にも出るらしいと聞いて、大盛り上がり。久しぶりにドックオクの絵も描いた。

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色鉛筆とマジックで彩色。

そんな昔のことは忘れたよ

「そんな昔のことは忘れたよ」
これは、『カサブランカ』でのハンフリー・ボガートの有名なセリフ。きのうのことを聞かれて、言ったもの。わたし、『カサブランカ』好きで数回見てる。

おとといの月曜日。
放デイの方が、学校にお迎えに行ったときから、次男が終始、不機嫌で不穏な態度であったと放デイとやりとりしているノートに書いてあった。

ということを遅ればせながら、きのうの火曜日にノートを見て知ったのだった。

だから、

「きのう、学校で何かあったの?嫌なこととか?」

「きのう?きのうのことなんか忘れた」

「放デイでずっと機嫌悪かったって書いてあるよ」

「わからん。ストレスの蓄積」

「特別何かあったわけじゃないの?」

「うーん。わからん、覚えてない」

そこで、冒頭のセリフが頭に浮かんだというわけです。
そのセリフには、続けて、今夜のことは「そんな先のことはわからない」というセリフもある。

ハンフリー・ボガートは、ダンディーだけれども!!

発達凸凹さんの時間の感覚がないのは、ダンディーなボギーに通じているということで(笑)

きのう何食べた?を見に行く

きのうの日曜日。

劇場版「きのう何食べた?」を見に行った。
わたしと夫と次男。

テレビドラマがやってるときには見てなくて、最近Amazonプライムで、全話見て、ファンになった。
あとお正月スペシャルも見た。

家族で見ているうちに、次男も大好きになって、今回いっしょに見に行くことになった。

小学校4年生にしては、大人すぎへん?とは思うものの、お正月スペシャルでは、感極まって泣いた次男。感受性高すぎやろ、たかすぎくんやろ。

それに、マーベルの最新作「エターナルズ」も公開されているのに??
確認したけど、「きのう何食べた?」を見るという。

イオンシネマは、障がい者ひとりにつき、付き添い2人まで割引がある。
だから、わたしと夫も割引料金で見られる。

いざ、スクリーンへ。
当然、いつものように、前が通路で座席がなく、横も通路で、隣も通路になっている席を選ぶ。

劇場版「きのう何食べた?」は、とても良い出来で、テレビドラマと同じように大事件も起こらないし、賢ちゃんとシロさんの日常やちょっとしたハプニングが描かれる。さらにふたりの結び付きが強くなって感動してほっこりする。笑っちゃう場面もある。
初めて賢ちゃんのお母さんとお姉ちゃんたちも登場し、ガールズトーク。面白かった。

だけど当然、大爆発も戦闘も繰り広げられない。だから、館内も大音量になる場面がない。そうなると目立っちゃうのが、次男のひとりごと。
普段は、音量大爆発の映画を見ているから、ちょっとしたひとりごとはかき消される。いやかき消されていると信じている。

「けんちゃん、かわいい」という感想、「なんでやねん」というちょっとしたつっこみ、「あ、小日向さん出てきた!!」や「あー、わさビーフ!!」という発見をストレートに表現しちゃう。

次男の声は、決して大音量ではないんだけど、静まり返った館内では、ううーん、どうなの?聞こえちゃってる?というレベル。
もちろん何回かは、「○○ちゃん、シーーー」というのだけど、しばらく経ったらまた出ちゃう。

主な客層は年配、いや妙齢の落ち着いたご婦人方なので、ひっそりと受け入れてくださったようだ。ありがとうございます。

まぁ、次男もあんまりしゃべらなくなった方だ。声のボリュームも昔に比べたら、ずいぶん小さくなった方だ。彼なりに努力をしているようだ。

映画はとっても面白かったので、たくさんの人に見に行ってもらいたいなぁ。

次男のハートの強さよ

火曜日、次男の学年体育の日だった。

学年体育というのは、コロナで中止となった運動会の代わりだ。
5時間目をつかって、行い、保護者も見に来れるというもの。
次男は、4年生。障害物走とドッヂボールを行う。
次男は普段の体育をほとんど参加しない。学年体育、やってほしいなぁと思ってたけど、やっぱり無理だった。
集団行動ができないことに加え、障害物走は、次から次へといろんな課題があり、頭が混乱して難しいらしい。

で、担任の先生に、他の役割、たとえば物を出したりとか、ゴールのテープを持つとか、を与えてもらえませんか?とお願いした。

「ほら、映画作るにも、出演者以外にもたくさんスタッフの人いるでしょ?だから競技に出ないなら何かお仕事しようね」

と、次男に言った。

「うん、わかったー」

と軽く答える次男。

「競技しないなら、ママ見に行かなくていいよね」

と、次男に言うと、

「ええーー、見に来てほしい」

と言う。

マジか。競技に出ーへんねやし、休みとらんでよくなったやん!と思っていたのに。

でも、出演者だけじゃなく、スタッフも頑張るから映画が完成するのだ的なことを偉そうに言った手前、競技に出ないなら、見る価値なし的なことも言えず。

「うん。わかった。行くわ」

当日、もともとお仕事お休みの夫と学校に出かける。
そもそも発達凸凹さんの学校でのお姿ってあまり見たくない。発達凸凹さんお母さんたちのあるあるかもしれない。
授業参観とか地獄。
ちゃんとすわって!!とか先生の方を見て!!とかプリントをノートに貼るように言われたやろ!!とかをひたすら心で念じる。
1年2年の運動会もかけっこでビリになったとたん、泣きわめく、暴れるで、見ないふりをするとか、わが子でないふりをする、まわりのお母さまたちに対しては、苦笑いをするなどの対策が必要となる。

さて、今回。

次男は、さっそく私たちを見つけて、駆け寄ってきてくれる。そういうとこは、とてもかわいい次男くんです。

あれ?赤白帽かぶってないやん。

「○○ちゃん、赤白帽は?」

「うっとうしいからかぶってないーー」

そうなんだ。はぁ。

いざ、競技開始。
次男は、先生とともにいて、バインダーに挟んだ紙に書き込んだりしている。
そこここに保護者の方がいて、グランドの端に腰を掛けれるように段になっているところに座っている方もいる。
そのような保護者の方の近くに次男も座る。
むしろ馴染んじゃってる?

たまに行き交う保護者が次男を見る。

あれ?この子何やってんの?という顔。

でも動じる様子のまったくない次男。

マジか。この次男のハートの強さよ。
わたしにも分けてほしい。
みんなとは違うことをしている、みんなと同じところにいない、いぶかしげに見られる。
全部心折れて無理やわ。

学年体育の全工程を先生と一緒に集計をしたり点数を書いたり、その仕事が当然のように、恥ずかしそうでもなく、自然にこなした次男。

まぁ、競技を頑張る普通の子供の姿は見れなかったけど、逆におもしろいもん見せてもらいました。

「せめてこれくらい」をやめよう

本田秀夫先生が言う。

「せめてこれくらい」できてほしいと考えるのをやめるべき、と。

発達障害の子供たちはできないことがとても多い。
だから、「せめてこれくらい」はできてほしいと考えることもとても多いのです。

すでに「せめてこれくらい」のラインもとても低く設定してあるとおもうのだけど、それでも「せめてこれくらい」と思っちゃう。

でも、「せめてこれくらい」と思わなくなると、本人も家族もラクになることは、事実で。

たとえば、次男は体育をしない。4年生で今、体育はポートボール。(ポートボールなつかしい)
ポートボールは、集団スポーツで、みんなでやらなくちゃいけないのは、むずかしい。わかる。
でも、障害物走くらいは、できてほしい。
というのは、コロナで運動会がなくなり、学年単位でちょっとした体育大会がある。
4年生は、障害物走らしいのだ。でも彼は、走らない。
ここで、「せめてそれくらいは!!」という考えが、頭をもたげる。
障害物走だって、彼に言わせれば、次から次へとやることがあって難しい、のだ。
まぁ確かに言われればそうかもな。
でも「せめてそれくらいできんか??」
と、言いたくなる。

長男。なかなかワーク(学校で定められた問題集)をしない。提出日ギリギリになって、あわててやる、もしくは、ギリギリ間に合わない、提出日をそもそも間違えている。あるいは、間に合ってやれても、持っていくのを忘れる。

「せめてワークくらいきっちりやれんか?」

毎日、少しずつこつこつ。提出日を間違いなく確認。提出日に間に合うように、余裕をもって。提出日には、忘れずにもっていく。
どれも彼にとっては、難しいフレーズたち。
「せめて、提出日を確認しておくくらい」「せめて、提出物をもっていくくらい」。

名付けて「せめてこれくらい」星人、が出現。

くそっっ!!そんなにむずかしいんか!!
塾もいってへんねんから、時間なんてありあまってるやろ!!

心の声。

「せめてこれくらい」星人を根絶やしにするのは難しいなぁ。

まぁ仕方ないよね。学校に行ってるだけで素晴らしい。友達だっているんだから最高だ。生きているだけで、十分がんばってる!!

そう思えるようになったら、ほんと子供も親もラクなのです。

発達障害関連本

今週のお題「読書の秋」

星の数ほどある発達障害関連本。

自分なりにカテゴリーに分けてみる。
親のために専門家が分かりやすく解説している解説書系、発達障害の子供を持つお母さんが、対策を教えてくれるハウツー系、発達障害本人が書いている自伝系、発達障害父母が発達障害の子供の歴史について書いているエッセイ系、専門家がしっかり書いている学術系、とそんなところか。

解説書系は、次男の発達障害が判明したころから、たくさん読んできた。まず最初に手をつけるカテゴリーだ。
そのなかでは、本田秀夫先生の、『自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 思春期編』『自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 幼児・小学生編』がいちばん役に立つようにおもう。小学生と中学生の大変さは全然違う。中学生は、とってもとっても大変だけど、その大変さが認知されていないのか、出版物はすごく少ない。

ハウツー系。何をかくそう、わたしは、ハウツーものがとても好きです。これは、発達障害の本に関してはというわけではなく、昔からだ。
斎藤薫さん他の美容本、ダイエット本、体操本などなど。『フランス人は服を10着しか持たない』シリーズなんてバイブルのように思っている。最近は勝間和代さんの本がお気に入り。
発達障害の本では、小林みやびさんの、『発達障害の子どもと上手に生き抜く74のヒント―保護者に役立つサバイバルブック〈小学生編〉』『発達障害の子を育てる58のヒント―気持ちがラクになる!先輩ママの体験アドバイス』が秀逸。現実的な困り事に対する方法を気取らずに教えてくれる。学校との関係などずいぶん助けられました。『らくらくかあさんシリーズ』もツールがたくさんあって素敵なんだけど、わたしにはまぶしすぎる。出来ない!!と劣等感のかたまりになってしまうのです。

自伝系。世界的にも有名な『自閉症の僕が跳びはねる理由』、これは著者さんの気持ちがわかって泣く。いつもひとりでいるからといって、ひとりが好きなわけじゃない。迷惑をかけないようにしていたら、そうなってしまう、とか。
あと『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ』。お父さま、お母さまのこれまでの努力や本人のがんばりにこれも涙が出る。

エッセイ系。栗原類くんのお母さま栗原泉さんの本、『ブレない子育て』、菊地ユキさんの『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』とか。ふたりとも個性的でおもしろく、やっぱ発達障害の子供のお母さんは、凸凹さんだよなぁと思った次第です。
うん!!わかる!!そうなんだよね!!とおもってついつい泣いてしまう。

学術系。これもやっぱり本田秀夫先生。『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』などのSB新書のシリーズ。あと杉山登志郎先生の『発達障害の子どもたち』。杉山登志郎先生は、あいち小児保健医療総合センターに勤められていたことがある。長男が生まれたときから、腎臓の病気で定期的にここへ通っていたので、勝手に親近感をもっている。『ギフテッド 天才の育て方』も面白かった。
うちの子らは、ぜんぜんギフテッドでないけど。

こんな感じかな。

メモの効用

発達凸凹さんたちにとって、メモはとても重要だ。

やらなければいけないことを忘れてしまうことは、自分自身も困ることだし、場合によってはまわりの人たちにも迷惑をかけることになる。

そういったことを防ぐことは当然のこととして。

それ以外に、やりたいと思っていたこと、見たいと思っていたもの、いきたいと思っていたところ、ほしいとおもっていたものまでも、すらーっと忘れてしまうのだ。

忘れたらそれまでなんじゃないの?大して強い希望じゃなかったんじゃないの?

と思われるかもしれない。

でもつよーーーい希望以外のものは忘れちゃってもいい、なんてことはないだろう。

あと、「なんか忘れている気がする」という考えが頭から離れないのだ。

そこでメモ。
次男におすすめしてみた。次男は書くことも読むこともできるので、紙のメモが良い気がする。ちょうど、絵のコンクールの佳作で貰ったトイ・ストーリーのバズのちっちゃいノートがあるし。こんな子供って感じのノートも1枚目のノートとしてなんかふさわしい感じがする。大きくなったときに見たら、なんかほっこりする感じするじゃん。
長男みたいな、字を書くのも読むのも苦手な子には、紙のノートは無理な気がする。(にもかかわらず、長男は手帳が好きで、よく買う。そして頻繁に使わなくって、手帳としての体をなさなくなってる。いつもそう、早く気づけばいいのに。きっとスマホのスケジュールアプリの方が向いてる)

やりたいこと。

すぐにできそうなこともすごーい将来にしかできなさそうなことも、とりあえず全部書いておく。
将来、ちょっとちがうなぁと思ったら、そのとき消せばいいんだし。

次にみたい映画。

次男には見たい映画がたくさんあるらしい。しかも古いやつ。プレデター、バックトゥザフューチャー、マトリックスゴッドファーザーなどなど。

おすすめしたらすぐにやってくれる次男。なんてかわいいんだ。
実はこれ、わたしもやってて、次男に少しみせてあげた。

「ママ、全然やれてないやん!!」

って笑われたけど。

いろんな目標書いてて、「人見知り克服」とか書いてるからさ。まぁ確かにやれてないよね(笑)